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指定職とはどのような役職なのか
国家公務員の指定職とは、民間企業の役員に相当する役職のことを指します。
具体的には、事務次官、外局の長官、本府省の局長、局次長、部長、審議官などが指定職に該当します。これらの役職には指定職俸給表が適用されます。
指定職俸給表適用職員は、その職務と責任が特殊であるため、昇給制度の適用がなく、扶養手当なども支給されません。
指定職俸給表が適用される職員の範囲については、人事院規則九ー二で定められています。
令和4年4月1日現在、指定職俸給表が適用される職員数は958人です。以下に主な職名を一覧でご紹介します。
- 事務次官
- 会計検査院事務総長
- 人事院事務総長
- 内閣法制次長
- 宮内庁次長
- 警察庁長官
- 金融庁長官
- 消費者庁長官
- 最高裁判所事務総長
- 統合幕僚長
- 会計検査院事務総局次長
- 内閣衛星情報センター所長
- 内閣府審議官
- 公正取引委員会事務総長
- 警察庁次長
- 警視総監
- カジノ管理委員会事務局長
- 金融国際審議官
- デジタル審議官
- 総務審議官
- 外務審議官
- 財務官
- 文部科学審議官
- 厚生労働審議官
- 医務技監
- 農林水産審議官
- 経済産業審議官
- 技監
- 国土交通審議官
- 地球環境審議官
- 原子力規制庁長官
- 気象大学校長
- 海上保安大学校
- 経済社会総合研究所長
一般職国家公務員在職状況統計表によると、令和4年7月1日現在の在職者数は、2号俸は170人、3号俸は475人、4号俸は165人、5号俸は94人、6号俸は20人、7号俸は32人、8号俸は19人となっています。
各省庁の指定職については、複雑高度化した政策課題に対応するため、増加傾向にあるようです。
なお、指定職俸給表が適用される職員の平均年齢は56.9歳でした。(令和4年4月1日現在)
指定職の年収はどのくらいか?
指定職の給料は、指定職俸給表に基づいて支給されます。指定職俸給表は民間の役員報酬等を参考にして作成されています。
具体的な金額は以下のとおりです。
号俸 | 俸給月額 |
---|---|
1 | 706,000 |
2 | 761,000 |
3 | 818,000 |
4 | 895,000 |
5 | 965,000 |
6 | 1,035,000 |
7 | 1,107,000 |
8 | 1,175,000 |
再任用 | 1,175,000 |
職位によって異なりますが、例えば本府省の局次長、部長、審議官、外局の次長については1号俸から3号俸の範囲です。本府省の局長は4号俸から5号俸、外局の長官は6号俸、内閣府審議官等は7号俸、事務次官は8号俸となります。
年収に換算すると、約1,396.0万円から約2,323.5万円となります。
職位ごとの詳細は以下のとおりです。
役職段階 | 俸給月額 | 年収 |
---|---|---|
本府省の局次長、部長、審議官、外局の次長 | 706,000円~818,000円 | 1,396.0万円~1,617.5万円 |
本府省の局長 | 895,000円~965,000円 | 1,769.8万円~1,908.2万円 |
外局の長官 | 1,035,000円 | 2,046.6万円 |
内閣府審議官等 | 1,107,000円 | 2,189.0万円 |
事務次官 | 1,175,000円 | 2,323.5万円 |
まとめ
国家公務員の指定職は、民間企業の役員に相当するため、年収は非常に高額になります。
ただし、指定職になれるのは国家公務員の中でもほんの一握りであることには留意しなければなりません。
出世レースを勝ち残り、国家公務員の最高到達点でもある事務次官になると、最高年収は約2,323.5万円となります。