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2021年8月10日、人事院は人事院勧告を発表し、民間企業のボーナスの支給状況について調査を行った結果、国家公務員の水準が民間の水準を上回っていたことから、ボーナス(期末・勤勉手当)を0.15か月分引き下げるよう国会と内閣に勧告しました。(昨年は0.05か月の引き下げ)
これは、人事院が実施した民間給与調査で、民間企業のボーナス支給額が4.32か月と、2020年度の国家公務員のボーナス4.45か月を0.13か月下回ったことをうけてのものになります。
例年、勧告どおりの給与の改定が行われているため、ボーナスカットはほぼ決まりでしょう。
これにより年間のボーナス支給月数は4.30か月となり、2016年度と同水準になります。平均すると約6.2万円の年収ダウンが見込まれます。
ちなみにこのボーナスの引き下げは2021年12月のボーナスから適用されます。
過去のボーナス支給状況
過去のボーナス支給状況は以下のとおりで、2年連続の減少となります。
2021年 | 4.3か月 ※今回の人事院勧告 |
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2020年 | 4.45か月 |
2019年 | 4.5か月 |
2018年 | 4.45か月 |
2017年 | 4.4か月 |
2016年 | 4.3か月 |
2015年 | 4.2か月 |
2014年 | 4.1か月 |
2013年 | 3.95か月 |
2014年 | 3.95か月 |
2013年 | 3.95か月 |
2012年 | 3.95か月 |
月例給はどうなるのか?
月例給についての改定は行わないことになりました。
その理由としては、2021年4月時点における国家公務員の月例給は民間給与を19円だけ上回っており、較差が小さいことが挙げられています。
他に勧告された内容
人事院はその他の取組として、①非常勤職員の給与、②育児休業制度の改正に併せた期末手当・勤勉手当の取扱い、③テレワーク(在宅勤務)に関する給与面での対応を挙げています。
①非常勤職員の給与については、2021年7月に非常勤職員の給与に関する指針が改正されたことを踏まえて、非常勤職員に対してもボーナスを支給するよう各府省を指導するとしています。
②育児休業制度の改正に併せた期末手当・勤勉手当の取扱いについては、期末手当・勤勉手当の在職期間等の算定に当たり、子の出生後8週間以内における育児休業の期間と、それ以外の育児休業の期間は合算しないよう措置するとしています。
③テレワーク(在宅勤務)に関する給与面での対応については、公務におけるテレワークの実態や経費負担の状況の把握、既に在宅勤務手当を導入した企業に対するヒアリングの実施などを通じ、引き続き研究するとしています。
地方公務員はどうなる?
都道府県庁や政令市などの地方自治体に勤める地方公務員については人事院勧告が直接適用されませんが、重要な参考資料としつつ各自治体の人事委員会が必要な勧告を出すことになっています。この人事委員会の勧告のことを「人事委員会勧告」と呼んだりもします。
人事院勧告と同一の改定を行う自治体がほとんどで、今回の勧告によって多くの地方公務員のボーナスもカットされることになるでしょう。
人事院勧告とは?
人事院勧告とは、例年8月に人事院が内閣と国会に勧告しているもので、国家公務員の労働基本権が制約されることの代償措置として、社会情勢に適応するよう、国家公務員の適正な処遇を確保することを目的としています。
公務には利潤の追求という企業目的が存在せず、給与が肥大化する恐れがあることから、経済・雇用情勢等を反映して労使交渉等によって決定される民間の給与水準に準拠して、公務員の給与水準を定めることが最も合理的であると考えられます。
多くの地方公務員や一部の民間企業についても、人事院勧告に倣って給与の改定が行われます。
人事院勧告の詳細については下記の記事で詳しく解説しています。

時事通信「公務員ボーナス0.15カ月下げ 月給据え置き、不妊治療休暇新設―人事院」(2021年8月110日)