公務員試験は大学4年の4月末~9月まで行われ、筆記試験では非常に多くの科目が課されるため、入念な準備が必要となります。
そこで今回は、いつから筆記試験の勉強を始めるのが一番いいのか、メリット・デメリットをまとめてみました。
大学1年生の春から勉強を始めることのメリット・デメリット
大学1年生の春から勉強を始める人の多くは小さい頃から公務員を目指していた人や、大学入試が不本意な結果に終わってしまったけど就職で巻き返したい人ではないでしょうか。
早くから勉強を始めることのメリットは以下が考えられます。
- 国家総合職をはじめとするすべての公務員試験の首席合格を十分狙える
- 非常に多くの勉強時間を確保でき、自然科学や人文科学といった他の受験生が捨てがちな科目も万全に対策をすることができる
- 夏休みや春休みのインターンに参加する時間があり、官公庁研究を行う時間が十分にある
- この時期から勉強している受験生はほとんどいないため、学力面で差をつけられる
- 学力に自信がない方でも、成績をかなり大幅に伸ばすことができる
- 民間企業の業界研究も同時並行して行うことができる
- 長期留学に行く時間があり、他の公務員志望者に経験面で大きな差をつけることができる
- オーバーワークになる可能性が高い
- サークル・アルバイトとの両立が非常に大変
- 結局あまり勉強しない可能性がある
- 初期に勉強したことを受験本番に忘れてしまっている可能性がかなり高い
- この時期から勉強している受験生はほとんどいないため、かなり孤独な戦いを強いられる
- 不合格となってしまった場合、3年間の努力が水の泡となってしまう
- 試験本番の面接では、「大学1年生から公務員試験(筆記)の勉強をしていた」ことはほとんどアピールにならない
- サークル・アルバイトをやっていないと、面接でよく聞かれる「自己PR」「勉強以外で学生時代力を入れた経験」を語れない
公務員試験の勉強時間を確保できることが最大のメリットでしょう。いわゆるFラン大学に通っていても、4年間みっちり勉強すれば国家総合職合格も夢ではありません。
一方で、公務員試験まで時間があるが故のデメリットが目立ちます。特に、公務員試験の勉強をしていたことは就活ではほとんどアピールにならないので注意が必要です。
という強い意思・覚悟がある方以外はあまりおすすめしません。
大学2年生の春から勉強を始めることのメリット・デメリット
大学2年生の春から勉強を始める人のボリュームゾーンは、試験勉強に自信がない方や国家総合職を狙う人です。文学部や商学部などに在籍していて、法学に全く触れたことがない人もこの時期から始めることがあるようです。
- 国家総合職をはじめとするすべての公務員試験の上位合格を狙える
- 比較的多くの勉強時間を確保でき、自然科学や人文科学といった他の受験生が捨てがちな科目もある程度対策をすることができる
- 夏休みや春休みのインターンに参加する時間があり、官公庁研究を行う時間が十分にある
- この時期から勉強している受験生はあまりいないため、差をつけられる
- 学力に自信がない方でも、成績を大幅に伸ばすことができる
- 大学1年生を自由に過ごすことができ、学生ならではの様々な経験をすることができる
- 民間企業の業界研究も同時並行して行うことができる
- 短期留学に行く時間があり、他の公務員志望者に経験面で差をつけることができる
- オーバーワークになる可能性がある
- サークル・アルバイトとの両立がやや大変
- 結局あまり勉強しない可能性がある
- 初期に勉強したことを受験本番に忘れてしまっている可能性が高い
- この時期から勉強している受験生はほとんどいないため、孤独な戦いを強いられる
- 不合格となってしまった場合、2年間の努力が水の泡となってしまう
- サークル・アルバイトをやっていないと、面接でよく聞かれる「自己PR」「勉強以外で学生時代力を入れた経験」を語れない
国家総合職を目指している人はこの時期から勉強を始めても全く問題ないと思います。
国家一般職や地方上級を目指す人はややオーバーワークだと思います。
大学3年生の春から勉強を始めることのメリット・デメリット
受験本番まで約1年あるこの時期から勉強を始める人が一番多いのではないでしょうか。
大学の生協などが主催する公務員試験講座も、大学3年生の春からカリキュラムが始まることが多いです。
- 国家総合職をはじめとするすべての公務員試験の合格を狙える
- ある程度の勉強時間を確保でき、憲法や数的処理といった主要科目はしっかりと対策することができる
- 夏休みのインターンに参加する時間があり、官公庁研究を行う時間がある
- ほとんどの受験生がこの時期に勉強を始めるため勉強仲間が多く、情報交換・モチベーションの維持ができる
- 大学生活も後半になり、サークル・アルバイトとの両立がしやすい
- 学力に自信がない方でも、成績をある程度伸ばすことができる
- 大学1年生~2年生を自由に過ごすことができ、学生ならではの様々な経験をすることができる
- 初期に勉強したことを受験本番に忘れてしまっている可能性があまりない
- 人文科学や自然科学など一部の科目まで手が回らず、捨て科目を作ってしまうことがある
- この時期から勉強している受験生がほとんどのため、他の受験生に差をつけにくい
- 元々の学力に全く自信がない方は、間に合わない可能性がある
- 民間企業の業界研究まで手が回らない場合が多い
- 不合格となってしまった場合、1年間の努力が水の泡となってしまう
- サークル・アルバイトなどをやっていないと、面接でよく聞かれる「自己PR」「勉強以外で学生時代力を入れた経験」を語れない
デメリットを考えても一番おすすめなのが大学3年生の春から勉強を始めるパターンです。
国家総合職を目指す方はこの1年間、本気で勉強しましょう。
国家一般職や地方上級を目指す方はこの時期から勉強を始めても全く問題ないと思います。
大学3年生の秋から勉強を始めることのメリット・デメリット
受験本番まで半年を切り、周りの民間志望者もインターンを始めるなど、徐々に就活モードに切り替わるこの時期から勉強を始める人もいます。
- 合格できれば、費用対効果が高い
- 詰め込み型の勉強が得意な方は、短期間で効率的に学習を進めることができる
- 大学1年生~3年生の春までを自由に過ごすことができ、学生ならではの様々な経験をすることができる
- サークル・アルバイトの引退と同時に勉強を始められるため、区切りがいい
- 初期に勉強したことを受験本番に忘れてしまっている可能性がほとんどない
- 一つの試験種に絞るならば、十分合格の可能性がある
- 勉強時間の確保ができず、憲法や数的処理といった主要科目の対策で精一杯となる
- インターンなどに参加する時間がなく、官公庁研究を行う時間が足りなくなる
- サークル・アルバイトなどをやっていないと、面接でよく聞かれる「自己PR」「勉強以外で学生時代力を入れた経験」を語れない
- 人文科学や自然科学など多くの科目まで手が回らず、捨て科目を作ってしまう
- 春から勉強している受験生がほとんどのため、他の受験生に差をつけられてしまう
- 学力に自信がない方は、間に合わない可能性が高い
- 民間企業の業界研究まで手が回らない
- 元々の学力に自信がないと、国家総合職の合格は難しい
- 以上の理由から、不合格となる確率がやや高い
デメリットからもわかるとおり、あまりおすすめはできません。
国家総合職を目指す方はこの半年間、寝る間を惜しんで本気で勉強しましょう。
国家一般職や地方上級を目指す方は遅れを取り戻す覚悟で勉強しましょう。
大学4年生の春から勉強を始めることのメリット・デメリット
受験本番まで残りわずかとなったこの時期から勉強を始める猛者もいるようです。教養試験のみの市役所や国立大学法人狙いの人に多いです。
- 合格できれば、費用対効果がめちゃくちゃ高い
- 市役所C日程や国立大学法人等採用試験、国家総合職(教養区分)なら合格できる可能性がある
- 大学1年生~3年生を自由に過ごすことができ、学生ならではの様々な経験をすることができる
- 地方上級など一つの試験に絞るならば、合格の可能性がややある
- 勉強時間の確保ができず、憲法や数的処理といった主要科目の対策すら間に合わない可能性が高い
- インターンなどに参加する時間がなく、官公庁研究を行う時間がほとんどない
- 人文科学や自然科学など多くの科目まで手が回らず、多くの捨て科目を作ってしまう
- 春から勉強している受験生がほとんどのため、他の受験生に大きな差をつけられてしまう
- 元々の学力に自信がないと、高確率で間に合わない
- 民間企業の業界研究まで手が回らない
- サークル・アルバイトなどをやっていないと、面接でよく聞かれる「自己PR」「勉強以外で学生時代力を入れた経験」を語れない
- 以上の理由から、不合格となる確率が非常に高い
正直まったくお勧めできません。
国家総合職を目指す方は、春の合格はあきらめて秋の教養区分を目指しましょう。
国家一般職や地方上級を目指す方は寝る間を惜しんで一日20時間は勉強しましょう。
結論
ご自身の学力にもよりますが、基本は大学3年生の春から始めるのが一番ちょうどいいと思います。
国家総合職を目指す方は大学2年生の春から勉強しても全く問題ないでしょう。
大学1年生の春から勉強をするのはデメリットが多いのでおすすめしません。
反対に大学4年の春から勉強を始める方は、公務員浪人を覚悟した方がいいと思います。
多くの受験生が見落としがちですが、公務員試験は筆記試験だけではなく、面接試験も重要です。サークル・アルバイトなどをやっていないと、面接でよく聞かれる「自己PR」「勉強以外で学生時代力を入れた経験」を語れない可能性があります。
公務員試験の勉強を頑張ることも重要ですが、
「公務員になって何がしたいか」
「自分の強みは何のか」
「自分のどのような能力を仕事に活かせるか」
を自分なりに考えることが最も大切です。
サークル、アルバイト、ゼミナール、ボランティア、留学など学生のうちにしかできない様々な経験を通じて、
「なぜ公務員になりたいのか」を自分の言葉で話せるようになれば、必ず合格することができるでしょう。