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国家公務員の給与は、民間の水準と均衡を図りつつ、全国一律の俸給表とこれを補完する諸手当から成る給与体系が法定されており、適正な水準を確保するように設計されています。
俸給の特別調整額は、管理又は監督の地位にある職員に支給される手当です。この記事では、俸給の特別調整額の概要について解説します。
- 俸給の特別調整額の概要
- 俸給の特別調整額が創設された背景や目的
- 支給対象となる職員や金額の詳細
俸給の特別調整額の概要
俸給の特別調整額とは、管理職や監督職にある職員に対して、その職務の特殊性を考慮して毎月支給される手当で、いわゆる管理職手当です。
俸給の特別調整額が支給される職員には、超過勤務手当は支給されません。これは、管理職や監督職にある職員の業務の特殊性や責任の重さに応じて、俸給の特別調整額が支給されるためです。
俸給の特別調整額は、昭和28年(1953年)頃に導入されました。導入の背景には、従来の超過勤務手当では管理職や監督職の業務の特殊性や責任の重さに十分に対応できなかったことがあります。そのため、俸給の特別調整額が導入されることとなりました。
「俸給の調整額」という言葉も似ていますが、こちらは航空管制官や麻薬取締官、サイバーセキュリティ担当者、刑務所の医師や薬剤師、看護師長などに支給されるもので、俸給の特別調整額とは異なります。
俸給の調整額の金額
俸給の特別調整額の金額は、俸給表、職務の級、そして調整額の区分によって決まります。
目安として、本省の課長級が約13万円、本省の室長級が約9万円程度です。
具体的な金額は、人事院規則9-17により定められており、行政職俸給表(一)が適用される職員には、46,300円から139,300円の範囲で支給されます。
代表例は以下のとおりです。
組織 | 官職 | 俸給表・級 | 区分 | 手当額 |
---|---|---|---|---|
本府省 | 課長 | 行(一)9級 | 一種 | 130,300円 |
本府省 | 室長 | 行(一)8級 | 二種 | 94,000円 |
府県単位機関 | 部長 | 行(一)6級 | 三種 | 72,700円 |
管区機関 | 課長 | 行(一)6級 | 四種 | 62,300円 |
地方出先機関 | 課長 | 行(一)4級 | 五種 | 46,300円 |
まとめ
俸給の特別調整額は、管理職や監督職にある職員の業務の特殊性や責任の重さを考慮して設けられた制度で、昭和28年に導入されました。
超過勤務手当が支給されない代わりに、この特別調整額が支給されることで、管理職の職務に対する補償が行われています。
この制度によって、管理職や監督職の職務に対する補償がより適切に行われ、給与体系が整えられています。