目次
内閣人事局が公表している「常勤職員在職状況統計表」をもとに、出世しやすい省庁を調べてみました。
ここでは便宜上、「出世しやすい」=「本省課長級の割合が高い」と定義することにします。指定職の俸給表になる部長級以上は含まれておりませんのでご承知おきください。また特別の記載がない限り、「職員」は行政職俸給表(一)を適用する職員のことを指します。
調査方法
内閣人事局が公表している「常勤職員在職状況統計表」の「第5表 省庁別、俸給表別、級別在職者数 行政職俸給表(一)適用」より、各級の在籍職員数を総数で除して求めました。
なお、級ごとの役職(本省)は以下の通りです。
9・10級 課長
7・8級 室長
6・5級 課長補佐
4・3級 係長
1・2級 係員
以下では、1~2級を係員、3~4級を本省係長級、5~6級を本省課長補佐級、7級~10級を本省課長級とします。
全省庁平均
在籍職員数は149328人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 16902 | 11% |
2 | 13090 | 9% |
3 | 35681 | 24% |
4 | 36198 | 24% |
5 | 21425 | 14% |
6 | 17824 | 12% |
7 | 4100 | 3% |
8 | 2331 | 2% |
9 | 1489 | 1% |
10 | 288 | 0% |
よって、
係員 20%
係長級 48%
課長補佐級 26%
課長級 5%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は929人で、職員に占める割合は1%でした。
上記の要領で、各省庁のデータを調べていきます。
ランキング
ランキングは以下の通りです。
府省庁 | 課長級の割合 | |
---|---|---|
1位 | 文部科学省 | 19% |
2位 | 人事院 | 16% |
3位 | 会計検査院 | 15% |
4位 | 内閣府 | 12% |
5位 | 外務省 | 11% |
6位 | 総務省 | 11% |
7位 | 経済産業省 | 11% |
8位 | 消費者庁 | 10% |
9位 | 金融庁 | 10% |
10位 | 特許庁 | 9% |
11位 | 公正取引委員会 | 8% |
12位 | 環境省 | 7% |
13位 | 国税庁 | 6% |
14位 | 財務省 | 5% |
15位 | 国土交通省 | 5% |
16位 | 農林水産省 | 4% |
17位 | 警察庁 | 4% |
18位 | 厚生労働省 | 3% |
19位 | 法務省 | 3% |
各省庁
各省庁の詳細なデータはこちら。
在籍職員数は1144人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 109 | 10% |
2 | 140 | 12% |
3 | 209 | 18% |
4 | 146 | 13% |
5 | 97 | 8% |
6 | 271 | 24% |
7 | 86 | 8% |
8 | 39 | 3% |
9 | 36 | 3% |
10 | 11 | 1% |
よって、
係員 22%
係長級 31%
課長補佐級 32%
課長級 15%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は22人で、職員に占める割合は2%でした。
在籍職員数は561人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 54 | 10% |
2 | 83 | 15% |
3 | 94 | 17% |
4 | 72 | 13% |
5 | 90 | 16% |
6 | 77 | 14% |
7 | 30 | 5% |
8 | 26 | 5% |
9 | 28 | 5% |
10 | 7 | 1% |
よって、
係員 24%
係長級 30%
課長補佐級 30%
課長級 16%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は18人で、職員に占める割合は3%でした。
内閣府の在籍職員数は2168人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 217 | 10% |
2 | 175 | 8% |
3 | 497 | 23% |
4 | 413 | 19% |
5 | 308 | 14% |
6 | 298 | 14% |
7 | 123 | 6% |
8 | 66 | 3% |
9 | 60 | 3% |
10 | 11 | 1% |
よって、
係員 18%
係長級 42%
課長補佐級 28%
課長級 12%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は65人で、職員に占める割合は3%でした。
公正取引委員会の在籍職員数は775人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 82 | 11% |
2 | 134 | 17% |
3 | 231 | 30% |
4 | 112 | 14% |
5 | 85 | 11% |
6 | 66 | 9% |
7 | 26 | 3% |
8 | 20 | 3% |
9 | 15 | 2% |
10 | 4 | 1% |
よって、
係員 28%
係長級 44%
課長補佐級 19%
課長級 8%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は11人で、職員に占める割合は1%でした。
警察庁の在籍職員数は4429人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 625 | 11% |
2 | 491 | 17% |
3 | 1569 | 30% |
4 | 978 | 14% |
5 | 323 | 11% |
6 | 274 | 9% |
7 | 78 | 3% |
8 | 39 | 3% |
9 | 44 | 2% |
10 | 8 | 1% |
よって、
係員 25%
係長級 58%
課長補佐級 15%
課長級 4%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は67人で、職員に占める割合は1%でした。
金融庁の在籍職員数は1326人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 81 | 6% |
2 | 199 | 15% |
3 | 220 | 17% |
4 | 239 | 18% |
5 | 172 | 13% |
6 | 282 | 21% |
7 | 69 | 5% |
8 | 39 | 3% |
9 | 16 | 1% |
10 | 9 | 1% |
よって、
係員 21%
係長級 35%
課長補佐級 34%
課長級 10%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は16人で、職員に占める割合は1%でした。
消費者庁の在籍職員数は303人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 38 | 13% |
2 | 41 | 14% |
3 | 63 | 21% |
4 | 46 | 15% |
5 | 49 | 16% |
6 | 35 | 12% |
7 | 17 | 6% |
8 | 7 | 2% |
9 | 7 | 2% |
10 | – | 0% |
よって、
係員 26%
係長級 36%
課長補佐級 28%
課長級 10%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は6人で、職員に占める割合は2%でした。
総務省の在籍職員数は4317人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 422 | 10% |
2 | 523 | 12% |
3 | 914 | 21% |
4 | 845 | 20% |
5 | 604 | 14% |
6 | 540 | 13% |
7 | 240 | 6% |
8 | 122 | 3% |
9 | 84 | 2% |
10 | 23 | 1% |
よって、
係員 22%
係長級 41%
課長補佐級 26%
課長級 11%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は52人で、職員に占める割合は1%でした。
法務省の在籍職員数は15260人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 3026 | 20% |
2 | 1510 | 10% |
3 | 3016 | 20% |
4 | 4442 | 29% |
5 | 1754 | 11% |
6 | 1121 | 7% |
7 | 231 | 2% |
8 | 109 | 1% |
9 | 46 | 0% |
10 | 5 | 0% |
よって、
係員 30%
係長級 49%
課長補佐級 19%
課長級 3%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は32人で、職員に占める割合は0%でした。
外務省の在籍職員数は5662人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 607 | 11% |
2 | 635 | 11% |
3 | 826 | 15% |
4 | 943 | 17% |
5 | 673 | 12% |
6 | 1347 | 24% |
7 | 292 | 5% |
8 | 142 | 3% |
9 | 173 | 3% |
10 | 24 | 0% |
よって、
係員 22%
係長級 31%
課長補佐級 36%
課長級 11%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は53人で、職員に占める割合は1%でした。
財務省の在籍職員数は14993人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 2119 | 14% |
2 | 1610 | 11% |
3 | 3255 | 22% |
4 | 3123 | 21% |
5 | 2146 | 14% |
6 | 2017 | 13% |
7 | 419 | 3% |
8 | 176 | 1% |
9 | 114 | 1% |
10 | 14 | 0% |
よって、
係員 25%
係長級 43%
課長補佐級 28%
課長級 5%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は57人で、職員に占める割合は0%でした。
文部科学省の在籍職員数は1621人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 63 | 4% |
2 | 175 | 11% |
3 | 362 | 22% |
4 | 246 | 15% |
5 | 186 | 11% |
6 | 284 | 18% |
7 | 150 | 9% |
8 | 88 | 5% |
9 | 52 | 3% |
10 | 15 | 1% |
よって、
係員 15%
係長級 38%
課長補佐級 29%
課長級 19%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は27人で、職員に占める割合は2%でした。
厚生労働省の在籍職員数は25947人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 2331 | 9% |
2 | 2239 | 9% |
3 | 7603 | 29% |
4 | 6433 | 25% |
5 | 4244 | 16% |
6 | 2345 | 9% |
7 | 429 | 2% |
8 | 186 | 1% |
9 | 104 | 0% |
10 | 33 | 0% |
よって、
係員 18%
係長級 54%
課長補佐級 25%
課長級 3%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は70人で、職員に占める割合は0%でした。
農林水産省の在籍職員数は13400人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 617 | 5% |
2 | 466 | 3% |
3 | 2080 | 16% |
4 | 4900 | 37% |
5 | 2798 | 21% |
6 | 1949 | 15% |
7 | 269 | 2% |
8 | 181 | 1% |
9 | 125 | 1% |
10 | 15 | 0% |
よって、
係員 8%
係長級 52%
課長補佐級 35%
課長級 4%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は43人で、職員に占める割合は0%でした。
経済産業省の在籍職員数は4239人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 403 | 10% |
2 | 384 | 9% |
3 | 685 | 16% |
4 | 810 | 19% |
5 | 854 | 20% |
6 | 655 | 15% |
7 | 214 | 5% |
8 | 146 | 3% |
9 | 68 | 2% |
10 | 20 | 0% |
よって、
係員 19%
係長級 35%
課長補佐級 36%
課長級 11%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は45人で、職員に占める割合は1%でした。
特許庁の在籍職員数は469人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 66 | 14% |
2 | 45 | 10% |
3 | 83 | 18% |
4 | 80 | 17% |
5 | 72 | 15% |
6 | 79 | 17% |
7 | 19 | 4% |
8 | 19 | 4% |
9 | 5 | 1% |
10 | 1 | 0% |
よって、
係員 24%
係長級 35%
課長補佐級 32%
課長級 9%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は10人で、職員に占める割合は2%でした。
国土交通省の在籍職員数は33385人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 3242 | 10% |
2 | 2350 | 7% |
3 | 9762 | 29% |
4 | 8441 | 25% |
5 | 4356 | 13% |
6 | 3684 | 11% |
7 | 750 | 2% |
8 | 499 | 1% |
9 | 260 | 1% |
10 | 41 | 0% |
よって、
係員 17%
係長級 55%
課長補佐級 24%
課長級 5%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は119人で、職員に占める割合は0%でした。
環境省の在籍職員数は1868人、構成は以下の通りです。
(単位:人)
級 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
1 | 102 | 5% |
2 | 199 | 11% |
3 | 526 | 28% |
4 | 444 | 24% |
5 | 265 | 14% |
6 | 200 | 11% |
7 | 67 | 4% |
8 | 42 | 2% |
9 | 20 | 1% |
10 | 3 | 0% |
よって、
係員 16%
係長級 52%
課長補佐級 25%
課長級 7%
という結果になりました。
ちなみに、部長級以上が適用される「指定職俸給表」の適用人数は20人で、職員に占める割合は1%でした。
まとめ
国家総合職の官庁訪問を行っている主な省庁のデータをみてきましたが、一番出世しやすい省庁は「文部科学省」(本省課長級19%)という結果になりました。これは個人的にかなり意外でしたね。
一方、一番出世できない省庁は「法務省」と「厚生労働省」(どちらも本省課長級3%)という結果に。
これから官庁訪問を控える受験生の皆さんは、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。ただし、上記の結果は「課長級が多い=出世しやすい」という定義から求められたものであり、実際の出世スピードの速さを保障するものではありませんのでご了承ください。
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参考
- 内閣人事局「一般職国家公務員在職状況統計表(平成30年7月1日現在)」 <https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_toukei.html>
- 政府統計総合窓口(e-stat)「一般職国家公務員在職状況統計表(平成28年7月1日現在)」 <https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00000002&tstat=000001090075>