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国家総合職の年収は公表されていない?!
国家公務員の場合、総合職と一般職を混ぜた平均給与は公表されていますが、区別した月収は公表されておりません。
一方、国家公務員の学歴・年齢別平均給与月額は公表されています。
そこで今回は、国家公務員(院卒)のほとんどが国家総合職だと仮定して、国家総合職の年収を推測してみます。
国家公務員(大卒・院卒)の年収から推測
平成30年度の人事院勧告*1によると、国家公務員(院卒)の年齢別平均給与月額は以下の通りです。
院卒 | 人 員 | 平均給与月額 |
---|---|---|
20 歳 未 満 | – | – |
20歳以上 24歳未満 | – | – |
24歳以上 28歳未満 | 345 | 281679 |
28歳以上 32歳未満 | 397 | 315893 |
32歳以上 36歳未満 | 69 | 387236 |
36歳以上 40歳未満 | 16 | 505836 |
40歳以上 44歳未満 | 8 | 519420 |
44歳以上 48歳未満 | 2 | 511520 |
48歳以上 52歳未満 | 1 | 505040 |
52歳以上 56歳未満 | – | – |
56歳以上 60歳未満 | – | – |
60 歳 以 上 | – | – |
ちなみに、国家公務員(大卒)の年齢別平均給与月額は以下の通りです。
大卒 | 人 員 | 平均給与月額 |
---|---|---|
20 歳 未 満 | 6 | 206868 |
20歳以上 24歳未満 | 2030 | 215905 |
24歳以上 28歳未満 | 8470 | 239304 |
28歳以上 32歳未満 | 7412 | 286675 |
32歳以上 36歳未満 | 7658 | 341474 |
36歳以上 40歳未満 | 9458 | 382666 |
40歳以上 44歳未満 | 10387 | 419516 |
44歳以上 48歳未満 | 11207 | 466213 |
48歳以上 52歳未満 | 8648 | 512457 |
52歳以上 56歳未満 | 6942 | 527415 |
56歳以上 60歳未満 | 4930 | 533241 |
60 歳 以 上 | 249 | 495926 |
平成30年度の国家公務員のボーナスが4.45か月だったことを踏まえると、国家公務員(院卒)の平均年収は以下の通りとなります。
人 員 | 平均年収 | |
---|---|---|
20 歳 未 満 | – | – |
20歳以上 24歳未満 | – | – |
24歳以上 28歳未満 | 345 | 463.4万円 |
28歳以上 32歳未満 | 397 | 519.6万円 |
32歳以上 36歳未満 | 69 | 637.0万円 |
36歳以上 40歳未満 | 16 | 832.1万円 |
40歳以上 44歳未満 | 8 | 854.4万円 |
44歳以上 48歳未満 | 2 | 841.5万円 |
48歳以上 52歳未満 | 1 | 830.8万円 |
52歳以上 56歳未満 | – | – |
56歳以上 60歳未満 | – | – |
60 歳 以 上 | – | – |
したがって、国家総合職の平均年収も上記とほぼ同じくらいになるでしょう。
(注)平均給与月額は、俸給及び諸手当(地域手当、広域異動手当、俸給の特別調整額、本府省業務調整手当、扶養手当、住居手当、単身赴任手当(基礎額)、寒冷地手当、特地勤務手当等)の合計です。
超過勤務手当(残業代)等は含まれていません。
上記より、国家総合職の平均年収は
30歳で約500万円以上
35歳で約700万円以上
40歳で約840万円以上
と予測できます。
なお、各省審議官級(部長・局長など)以上になると、行一俸給表ではなく指定職俸給表が適用されるため、50歳以降の年収はこれよりもっと高くなります。
参考:指定職俸給表(大卒)
経験年数 | 平均俸給額 |
---|---|
25年以上 30年未満 | 800739 |
30年以上 35年未満 | 845581 |
35年以上 | 927457 |
上記より、国家総合職(部長級以上)の平均年収は
50歳で約1300万円
55歳で約1400万円
60歳で約1500万円
と予測できます。
モデル年収はいくらなのか?
・内閣官房内閣人事局が公表している「国家公務員の給与(令和6年版)」を参考に作成
・月額及び年間給与は四捨五入。
-
中堅35歳 本府省課長補佐
月額 439,400円年収 730.7万円
-
ベテラン50歳 本府省課長
月額 751,200円年収 1271.7万円
-
幹部本府省局長
月額 1,077,600円年収 1790.9万円
-
頂点事務次官
月額 1,413,600円年収 2349.3万円
このデータは上記の試算とあまり差がないですね。
(注)モデル給与例の月額及び年間給与は、俸給(行政職(一)及び指定職)、地域手当、俸給の特別調整額及び本府省業務調整手当を基礎に算出(残業代は含まれない)
○本府省課長補佐:地域手当(20%)及び本府省業務調整手当(3万9200円)
○本府省課長:地域手当(20%)及び俸給の特別調整額(13万300円)
○本府省局長・事務次官:地域手当(20%)
※扶養親族がいる場合(本府省課長以下)には、扶養手当(配偶者6500円、子1人につき1万円)(平成30年度)を支給
初任給
試験 | 級・号俸 | 月額 |
---|---|---|
国家総合職(院卒者) | 2級11号俸 | 277,720円 |
国家総合職(大卒程度) | 2級1号俸 | 249,640円 |
※2024年4月1日の実績です。
※本府省に採用されて内部部局に配属された場合の代表例で、地域手当と本府省業務調整手当を含みます。
※このほか、要件を満たした場合は、通勤手当、超過勤務手当、住居手当、扶養手当等の諸手当を支給。期末・勤勉手当は、年間に俸給の月額等の約4.5月分(6月、12月に分けて支給)
まとめ
採用された期間によって差はありますが、国家総合職の平均年収は41歳で750万円以上と予測できます。これらには残業代が含まれていないため、残業代を含めると850万円以上になるでしょう。
参考
- 人事院「人事院勧告(国家公務員の給与)」 <http://www.jinji.go.jp/kyuuyo/>
- 人事院「国家公務員給与等実態調査結果」 <http://www.jinji.go.jp/kyuuyo/kouindex.htm>
- 内閣官房 内閣人事局「給与・退職手当-国家公務員の給与」 <https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_c.html>
*1:〔参考1〕行政職俸給表(一)の年齢階層別、給与決定上の学歴別人員及び平均給与月額